らっきょうとピクルスは両方が酢漬けの漬物ですが、らっきょうはカレーやお茶漬けによく合う和風物で、ピクルスはパンやサラダによく合う洋風物のイメージではありませんか。

同じ酢漬けの漬物ですが、どんな違いがあるのでしょう。

栄養価や成分、効果効能など、らっきょうとピクルスについて違いを解説したいと思います。

らっきょう ピクルス 違い

ピクルスと酢漬けらっきょうの違い

ピクルスとは、英語では漬物全般のことを指します。

欧米のピクルスは日本の漬物と比べて酸味が相当強めです。

肉やチーズなどの油っこい料理には酸味の強いものが合う様です。

ピクルスには酸味の強い「サワー型」と、砂糖を入れて甘くした「スイート型」があります。

スイートといっても日本人が考えるよりも酸っぱいです。

(日本の漬け物との違いは、発酵が進んでいないことです。)

 

ピクルスの「サワー型」と「スイート型」について解説します。

ピクルスのサワー型

大人向けのディルの香りが良く効いたさっぱりとしたピクルスで、酸味が強いのが特徴です。

・サワー型の漬け汁の一例

酢:150cc

砂糖:大さじ1

唐辛子:1本

にんにく:適量

ローリエ:1枚

ディル:適量

粒胡椒:適量

クローブ:適量

※サワー型のピクルスには「ディル(Dill weed)」というハーブ(スパイス)の一種が合います。

ディルについて

羽の様な軟らかな葉で甘みのある爽やかな香りのするハーブです。

科名:セリ科

原産地:南ヨーロッパ・西アジア

利用部位:葉や種(夏に傘の様な黄色い花が咲き、実る種は昔から薬として使用)

別名:ディルウィード・アネット・パクチーラオ

※国内では、北海道・長野県・群馬県・千葉県・三重県ほかで栽培されています。

ディルの効果効能

・種子のハーブティー

①消化を助け腸内のガスを減らす

②眠りを誘う作用

 

・「Grip water(グリップ ウオーター)」

①小児用の腹痛を止める水薬に配合

 

・ディルの種子の漬け液(ディルウオーター)

①消化不良を改善

②腹痛を止める

ピクルスのスイート型

サワー型よりは、甘く食べ易いピクルスです。

・スイート型の漬け汁の一例

酢:100cc

砂糖:大さじ3

ローリエ:1~2枚

シナモンスティック:1本

クローブ:少々

黒胡椒:少々

赤唐辛子:1本

※スイート型はサワー型より酢が少なく砂糖が多いという違いがあります。

酢漬けらっきょうの栄養価

栄養価(可食部100g)

エネルギー:115kcal

水分:67.8g

タンパク質:0.7g

脂質:0.2g

炭水化物:29.0g

灰分:2.3g

ナトリウム:860mg

カリウム:38mg

カルシウム:15mg

マグネシウム:4mg

リン:21mg

鉄:1.1mg

亜鉛:0.2mg

銅:0.07g

カロテン:0μg

ビタミンE:0.2mg

ビタミンK:2μg

ビタミンB1:0.01mg

ビタミンB2:0.01mg

ナイアシン:0.2mg

ビタミンB6:0.02mg

葉酸:0μg

食物繊維:3.3g

食塩相当量:2.2g

(引用:文部科学省 食品データベース)

ピクルスの栄養価

サワー型

栄養価(可食部100g)

エネルギー:12kcal

水分:93.4g

タンパク質:1.4g

脂質:Tr

炭水化物:2.5g

灰分:2.7g

ナトリウム:1000mg

カリウム:11mg

カルシウム:23mg

マグネシウム:24mg

リン:5mg

鉄:1.2mg

亜鉛:0.1mg

銅:0.04mg

ビタミンA:14μg

ビタミンE:Tr

ビタミンK:15μg

ビタミンB2:0.06mg

ナイアシン:0.1mg

ビタミ:B6 0mg

葉酸:1μg

食物繊維:1.4g

食塩相当量:2.5g

(引用:文部科学省 食品データベース)

 

②スイート型

栄養価(可食部100g)

エネルギー:67kcal

水分:80g

タンパク質:0.3g

脂質:0.1g

炭水化物:18.3g

灰分:1.3g

ナトリウム:440mg

カリウム:18mg

カルシウム:25mg

マグネシウム:6mg

リン:16mg

鉄:0.3mg

亜鉛:0.1mg

銅:0.04mg

ビタミンA:53μg

ビタミンE:0.1mg

ビタミンK:32μg

ビタミンB2:0.01mg

ナイアシン:0.1mg

ビタミンB6:0.04mg

葉酸:2μg

食物繊維:1.7g

食塩相当量:1.1g

※Tr:Tr(トレース)といい最小の記載量に達していないことを意味しています。

(引用:文部科学省 食品データベース)

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酢漬けらっきょうの効果効能

(1)ダイエット効果:脂肪が体内に吸収されるのを防ぎ、太るのを予防する

整腸作用や血糖値の急上昇を抑える

 

(2)便秘の解消:腸内環境を整える効果がある

 

(3)ガンの予防:「ジアリルスルフィド」がガンの発症を抑える酵素を助ける

除菌作用が強く、胃ガンの原因になるピロリ菌を退治して発症を予防する

「サポニン」の持つ強い抗酸化作用が肺ガンや胃ガンの発症を防ぐ

らっきょうは、あらゆるガンの予防に有効です。

 

(4)糖尿病の予防:「フルクタン」が血糖値の急激な上昇を抑え、穏やかする効果がある

※血糖値の上昇が穏やかになれば、糖尿病の予防ができて肥満を抑える効果が期待できます。

 

(5)生活習慣病の予防:「硫化アリル」は血液の凝固を抑制する効果がある

※ドロドロの血液をきれいにして動脈硬化を防ぐ働きをします。

 

(6) コレステロール値の抑制:「フルクタン」が肥満や生活習慣病を予防

※コレステロール値の上昇を抑える効果が期待できます。

 

(7)風邪の予防:免疫力を高めて風邪の予防に効果がある

※「硫化アリル」の強い除菌作用が、体内で風邪の病原菌やウイルスなどを退治してくれます。

 

(8)風邪の解熱:摂取することで身体を温め発汗作用を促し解熱にも効果を発揮する

※風邪の予防から改善まで総合的な助けになります。

 

(9)疲労回復:「硫化アリル」がビタミンB1の吸収を促進する効果がある

※疲れた時にビタミンB1を摂取することで疲労回復効果を高めてくれます。

ピクルスの効果効能

ピクルスは、酢漬けの野菜です。

そこで、「お酢の成分」と「野菜の成分」が合わさった効果が、ピクルスの効果になります。

 

(1)疲労回復:酢酸が疲労物質(乳酸やピルビン酸など)を分解

 

(2)食欲増進:酸味が味覚や嗅覚を刺激して脳の摂食中枢に働きかけて食欲増進

 

(3)消化不良の防止:酢が胃液の分泌を促し消化酵素の働きを活発化させる

※夏バテ気味の時にも有効です。

 

(4)ダイエット効果:体内の老廃物や有毒物質を取り除く

アミノ酸が新陳代謝を高め体内の栄養分を消費する助けになる

脂肪分解の役割を持つ酵素「リパーゼ」を活性化

悪玉コレステロールを分解

余分な栄養分を分解して蓄積されるのを防ぐ働き

 

(5)便秘解消:お酢の抗菌効果で腸内の有害細菌を減らし、腸内を活発化

※蓄積された老廃物なども同時に一緒に外へ排出します。

 

(6)冷え性解消:毛細血管の血液循環を良くする効果がある

※血行を良くして体温を上昇させます。温めて摂取すると効果が更に高まります

 

(7)二日酔い防止:摂取することで肝臓の働きが活発化し、アルコールの分解を促進させる

 

(8)肝臓の早期回復:アミノ酸の一種「アルギニン」が弱った肝臓の機能を回復させる

 

(9)血液サラサラ効果:アミノ酸の一種「アラニン」や「ロイシン」などが善玉コレステロールを増加

※ドロドロ血液の原因になる中性脂肪やコレステロールを改善し血液をサラサラにします。

 

(10)高血圧の予防:「アデノシン」が血管を膨張させる効果

※血流量が増えて高血圧の改善に繋がります。

 

(11)ストレス解消:クエン酸がストレス解消に大きく役立つ

※ストレスを感じた自律神経にかかった大きな負担を軽減するのに役立ちます。

らっきょうとピクルスの食べ過ぎの影響

らっきょうもピクルスも確かに低カロリーですが、カロリーに比べて糖質と塩分が高いです。

「好きだから。」、「体に良いから。」、「ダイエットしたいから。」などと大量に摂取すると重大疾患につながる可能性があります

また酢は歯のエナメル質を溶かしたり胃や腸の働きを阻害します。

らっきょうとピクルスの効果効能のところではたくさんの素晴らしい働きがあると解説しました。

ですが、「適量の摂取」が良いということであり、摂り過ぎはやはり良くないのです。

お酢を毎日摂る場合なら大さじ1杯程度と考えて、それに見合う量を摂取した方が良いのです。

少しずつ摂取して、それを長く続けることをお勧めします。

まとめ

らっきょうとピクルスを見てきましたが、どちらもお酢を使っているのでお酢の効果効能の影響が大きく、それは体にとって大変良いということが分かります。

またそこに野菜の持つ効果効能が加わって現代人の生活習慣病の予防に大きく貢献してくれそうです。

ですが、余り「体に良い。」というところに拘り過ぎて過剰摂取になってしまうと、逆効果でもあるということを忘れてはいけませんね。

上手に摂取して、健康な毎日を過ごしましょう。

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