らっきょうはお馴染みの野菜です。

では、ノビルはどうでしょう。

そういえば、田舎のおばちゃんが野原や河原から摘んできて、おじいちゃんが味噌を付けて食べていた様な記憶がありますが馴染みはありません。

確かにらっきょうとノビルはよく似ています。

根元が鱗茎で茎はきれいな緑色、見た目はらっきょうの方が鱗茎が大きいです。

栄養価については、らっきょうの方は知られていますが、ノビルはどうでしょう。

これから、らっきょうとノビルの色々な違いについて解説したいと思います。

らっきょう のびる 違い

らっきょうについて

①原産国:中国・ヒマラヤ(中国東部から中央部にかけて自生している)

 

②特徴:ユリ科ネギ属の多年草

・白色や紫色の鱗茎を食用とし、辛みと強いニオイ(アリル硫化物)がある

 

②歴史

・中国では紀元前から栽培(現在は、中央部から南部で栽培)

・日本では平安時代(9世紀)に中国から伝来(於保美良(オオミラ)といい薬用)

・「農業全書」記載:野菜としては江戸時代・少し辛い・くさみは少ない・体を温める食物

・江戸時代から鳥取県や福井県の砂丘で栽培の記録があり、その後に県外に出荷

 

③国内生産地:鹿児島県・鳥取県・宮崎県・福井県・千葉県など

 

④らっきょうの種類

・らくだ:代表的品種(在来種)

・八房(ヤツブサ):「らくだ」と「玉らっきょう」の中間の大きさ

・玉らっきょう:台湾から導入

・九頭竜(クズリュウ):「らくだ」に近い

・エシャレット:生食用に栽培された若いらっきょう(根付き・葉付)

※「エシャロット」と混同しない様にしましょう。

・島らっきょう:別名を「だっちょう」

 

⑤栄養価(可食部100g)

エネルギー:118kcal

水分:68.3g

タンパク質:1.4g

脂質:0.2g

炭水化物:29.3g

灰分:0.8g

食物繊維:20.7g

ビタミンE:0.8mg

ビタミンK:1μg

ビタミンB1:0.07mg

ビタミンB2:0.05mg

ナイアシン:2.1mg

ビタミンB6:0.12mg

葉酸:29μg

パントテン酸:0.56mg

ビタミンC:23mg

ナトリウム:2mg

カリウム:230mg

カルシウム:14mg

マグネシウム:14mg

リン:35mg

鉄:0.5mg

(引用:文部科学省 食品成分データベース)

 

⑥主な効果効能

・疲労回復や滋養強壮(ビタミンB1との結合で高める)

・免疫力を高め、がんの予防

・血行をよくして冷え性や動脈硬化や血栓の予防

・除菌作用

・ダイエット効果

・・・など

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ノビルについて

①原産地:ユーラシア大陸北部・北アメリカ北部・日本(北海道から奈良以北の深山)

 

②特徴:ユリ科ネギ属の多年草

「アイヌネギ」、「山ニンニク」と呼ばれる

ニンニクに似た強いニオイ

 

③歴史:古くから、日本全国で雑草として自生していました。

今でも河川敷や野原で自生のノビルを見ることができます。

 

④国内生産地:北海道や山形県など一部地域のみ(流通量は極めて少ない)

 

⑤栄養価(可食部100g)

エネルギー:65kcal

水分:80.2g

タンパク質:3.2g

脂質:0.2g

炭水化物:15.5g

灰分:0.9g

食物繊維:6.9g

ビタミンE:1.5mg

ビタミンK:160μg

ビタミンB1:0.08mg

ビタミンB2:0.22mg

ナイアシン:1.1mg

ビタミンB6:0.16mg

葉酸:110μg

パントテン酸:0.29mg

ビタミンC:60mg

ナトリウム:2mg

カリウム:590mg

カルシウム:100mg

マグネシウム:21mg

リン:96mg

鉄:2.6mg

(引用:文部科学省 食品成分データベース)

 

⑥主な効果効能

・疲労回復や滋養強壮(ビタミンB1との結合で高める)

・コレステロール値・血糖値の上昇を抑制

・血栓を予防

・抗酸化力が強い

・免疫力を高める

・除菌力が強い

・風邪予防

・ダイエット効果

・・・など

 

⑦自分で収穫する時の注意点

食用には向かないイネ科の雑草と似ていることと、水仙やヒガンバナなど中毒を引き起こす可能性のある植物と似ているので、自分で摘む時は必ず葉っぱをちぎってニオイを嗅いでください。

しっかりとネギの香りがすればノビルです。

「鱗茎(リンケイ)」の解説

土の中の茎の部分に肉厚になった鱗の様な葉が幾重にも重なる様についているものをいいます。

ですから葉の働きをします。

ジャガイモの様に塊とは違います。

ユリ・玉ねぎ・チューリップなどと同じ種類です。

園芸では球根といいます。

まとめ

らっきょうとノビルについて解説してきました。

らっきょうとノビルは同じ仲間の様ですから、栄養価についてや効果効能についてもよく似ています。

どちらも痩せた土地にも負けずに育ち、目立たず、決してメイン料理にはなれませんが、優れた野菜です。

「体に良いから。」と大量に摂取することはせず、少しずつ続けて摂取することをお勧めします。

らっきょうは、すでに流通経路が確立されているので、その季節になればスーパーなどで普通に見ることができますが、ノビルは、栽培から収穫までにとても長い時間がかかることと自生能力がとても優れているなどの理由で、太い流通経路は確立されていない様です。

それでも、たまにデパートや大型ショッピングセンターなどに出回ることがあります。

その時は、実際にノビルを目で見て確認してくださいね。

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