スーパーに並ぶらっきょうは、しょう油漬けなどに加工された中国産などの表記がありますが、生らっきょうは、ほとんど国産品が出回っています。

らっきょうは日本全国で栽培されているのを知っていますか。

日本の国は東西に長いですから、みな同じ条件ではありませんし同じ品種だけでもありません。

主な生産地で栽培されているらっきょうの、種類や環境の違いなどについて解説します。

らっきょう 産地 違い

らっきょうのふるさと

・らっきょうはユリ科ネギ属の多年草で、別名は「大ニラ」とか「里ニラ」といいます。

原産国は、中国です。

らっきょうの代表的な国内産地

例1)

1 位:鹿児島県(吹上砂丘)2,822t(25.77 %)

2 位:鳥取県(鳥取砂丘)2,814t(25.69 %)

3 位:宮崎県(都城盆地)2,796t(25.53 %)

4 位以下は、徳島県・福井県・沖縄県・高知県・茨城県・千葉県・東京都

引用:農林水産省統計(2010年現在)

 

例2) 収穫量は全国で約1万1,700t

1位:鹿児島県 3484t(29.7%)

2位:鳥取県 2907t(24.8%)

3位:宮崎県 2505t(21.4%)

引用:農林水産省統計(2012年現在)

代表的な国内産地とらっきょうの特徴

鹿児島県(吹上砂丘):「らくだ種」を栽培

砂丘として日本一の規模を誇る吹上浜を持ち、保水性がなく痩せたシラス台地が広がっています。

シャキシャキとして歯触りの良いのが特徴です。

今では健康食品として親しまれています。

主に4月~6月頃に出荷します。

・らっきょう栽培の主な地域:加世田市(現 南さつま市)

→日本三大砂丘のひとつ「吹上浜」の場所に位置し、「砂丘らっきょう」として流通

 

鳥取県(鳥取砂丘):「らくだ種」を栽培(北条地区:玉らっきょう)

鳥取県東部・中部の砂丘地で栽培され、特に鳥取砂丘に隣接する福部村は大産地です。

夏は地表面温度60℃、冬は氷点下という過酷な条件で育つ「砂丘らっきょう」は、色白で堅く引き締ったらっきょうに育ちます。

5月~6月頃に出荷します。

・らっきょう栽培の主な地域:鳥取県東部・中部の砂丘地と鳥取砂丘に隣接する福部村

・「根付きらっきょう」:葉を切りとり、約1cmほど根を残して切り取ったもの

・「洗いらっきょう」:根は全て切り落とし薄皮も取り除いて塩水と酢水で洗ったもの

※根切り作業は、5月下旬~6月中旬です。

 

宮崎県(都城(ミヤコノジョウ)盆地):「らくだ種」を栽培

都城盆地は、シラス台地です。

産地の特徴は火山灰であり、ここが砂丘とは違うところです。

水はけが良く、栄養素を多く含んでいます。

そして盆地特有の寒暖の差がらっきょうの身を引き締めています。

5月~6月頃に出荷します。

・らっきょう栽培の主な地域:宮崎県都城地区(内陸で盆地)

・「春採りらっきょう」:通常の収穫期の1ヶ月以上前に特別に収穫(浅漬けらっきょう)

※通常のらっきょうは毎年5月末~6月中旬に収穫します。

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らっきょうの種類

らくだ:高知県・徳島県・福井県・愛知県・富山県など

代表的品種(在来種)

大粒・漬け物用

 

八房(ヤツブサ):愛知県など

「らくだ」と「玉らっきょう」の中間の大きさ

収穫量は少ない

 

玉らっきょう:徳島県・福井県・愛知県など

台湾から導入

白色で小球

酢漬けの「花らっきょう」用

生はほとんど出回らない

 

九頭竜(クズリュウ):福井県など

「らくだ」に近いが、「三年子(サンネンゴ)」と呼ばれる

福井在来系からの小球で丸型

年に10~15球まで分球するものを選び出した品種

球の揃いが良い

1年物で花らっきょうとして可能

 

エシャレット:静岡県・茨城県・神奈川県・千葉県・埼玉県など

生食用に栽培された若いらっきょう(根付き・葉付)

薄皮がついていない→軽く洗ってそのまま食べられる

爽やかな辛味と香りがある

葉も軟らかければ、食べられる

 

島らっきょう:沖縄県

別名「だっちょう」

見慣れたらっきょうより小型で細い

ネギに似た強い辛み

まとめ

らっきょうの生産地は、ほぼ毎年変わらず鹿児島県・鳥取県・宮崎県が上位を占めていますが、以外と日本全国で栽培されていました。

漬け物は中国からの輸入がほぼ100%を占めていましたが、近年、徐々に減らしてきている様です。

このまま国産シェア100%までいけば良いと思います。

らっきょうは、水はけが良ければ痩せた土地でも栽培できるほど強くたくましい作物だと分かりました。

また、らっきょうの種類にもたくさんあり、品種によって産地が分かれていることもわかりました。

ただ生産量が少なく、市場に出回るには足りない様で地産地消の傾向にあるらっきょうもあります。

自国の作物に関心を持つことは、大切なことだと思います。

国産にこだわる気持ちが芽生えたら、商品ラベルの表示に目を向けることから始めましょう。

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